風の祭事記 風の旅人祭り訪問記
風の祭事記#25

豆田流しびな

大分県の天領日田で行われる豆田流しびなでは、紙製のおひな様が観光客や地元の人によって中城川に流されます。

・開催場所 :桂林荘公園(大分県日田市)
・開催日時 :2019年3月3日(日)
・行事内容 :流し雛
・備考 :2018年訪問

*過去の訪問記録です。開催日、場所、内容など変更されている場合があります。

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* 豆田流しびな訪問記 *

・豆田流しびなについて

天領日田、豆田の町並みの写真
天領日田、豆田の町並み

天領で繁栄していたころの名残を残す九州を代表する町並みです。

九州の北側の真ん中に日田の町があります。天領日田というキャッチフレーズが観光パンフレットなどで大きく書かれているように、ここは江戸時代に天領(幕府の直轄地)となっていました。天領自体各地にあったものなので、それだけならそう珍しいことではないのですが、日田には九州の天領を統括する西国筋郡代が置かれていて、九州の政治経済の中心地となっていました。

日田の繁栄ぶりは「山あいに都あり」と言われるほどでした。日田を経済的に支えたのが「日田金(ひたがね)」です。これはこの地に金鉱があったというわけではなく、豪商の金融資本となります。簡単に言うなら高利貸しといったもので、その富は莫大でした。その中心となっていたのが豆田町です。現在でも古い豪商の家屋や町屋が多く残っていて、公開されている商家などを見学すると調度品などからかつての栄華を計り知ることができます。

江戸幕府の終焉とともに天領としての特権もなくなり、日田の栄華も終わりを告げます。明治以降は金融の町から林業の町へと変わっていき、日田杉を用いた木工工芸品などが現在の特産品となっています。

豆田の流しびな 紙製の流しびなの写真
紙製の流しびな

紙製のプレート状のおひな様で、無料で配布されます。

そういった九州を代表する町並みが残る豆田町の東側、花月川から分流している中城川沿いに桂林壮公園があります。変わった名前のついている公園ですが、江戸時代に広瀬淡窓が開いた日本最大級の私塾「咸宜園(かんぎえん)」の前身である「桂林荘」の跡地に作られたという公園です。敷地内には広瀬淡窓の石像や詩碑が建てられ、川沿いにはテラスと東屋が建てられています。

この桂林壮公園で毎年3月3日か、その近くの日曜日に豆田ながしびなが行われます。主催しているのは地元有志でつくる豆田観光協議会で、豆田商店街の協力で行われます。

「観光客も参加できる催しで、まつりを盛り上げよう」と企画され、2006年から始まりました。最初は北を流れる花月川で行われたのですが、翌年から支流の中城川が流れるここ桂林壮公園が会場となりました。

流しびなが行われるのは10時~14時の間で、会場内では野点や琴の演奏が行われます。ここはなんと流し雛が無料なのです。会場を訪れると無料で紙のおひな様をもらえ、それに名前や願い事を書いて流すことができます。

・行事の様子

豆田の流しびな 流しびなの様子の写真
流しびなの様子

川の上に設置された流し場からお雛様を流します。

豆田の流しびな 着物で流しびなの写真
着物で流しびな

着物姿の方も多いです。

豆田流しびなは桂林壮公園で10時から14時ころまで行われます。

公園内の川辺にはテラスがあり、テラスの先に流し雛がやりやすいように川にせり出すような流し場が設けられます。雨天の時にはその上にテントが設置されるので、少しの雨なら大丈夫です。

このテラス部分には東屋があり、そこで流し雛を無料でもらえ、願い事や名前などを記入できます。無料というのがうれしいですね。次から次へと地元の人や観光客が訪れて、流し雛を楽しんでいました。

10時から14時と長い時間行われているので少し混雑する時間もありますが、行列ができるようなことはないようです。着物で日田のおひな様めぐりをしている最中に訪れる人も多かったです。

豆田の流しびな 琴の演奏の写真
琴の演奏

地元のご婦人方による演奏です。

豆田の流しびな 野点の写真
野点

着物を着たご婦人方がお茶の接待をしてくれます。

会場内では地元のご婦人方によって琴の演奏が行われたり、野点が行われます。なんと野点も無料です。おまけにお菓子付きです。ただ、お菓子の方は数に限りがあるので野点が始まってしばらくするとなくなってしまいます。お茶の方の接待はしばらく続いていました。

琴の演奏を聴きながらお雛様を流し、そして野点のお茶を楽しむことができるというのはとてもいい日田の思い出になるのではないでしょうか。

豆田の流しびな 水路を流れるお雛様の写真
水路を流れるお雛様

子供たちが自分のおひな様を追いかけていました。

豆田の流しびな 流し雛で埋め尽くされた水路の写真
流し雛で埋め尽くされた水路

わさわさと沢山います。これを見て背中がかゆくなる人もいるのでは。

流されたおひな様は水路を流れていきます。自分の流したお雛様が気になるようで、子供たちが水路沿いに自分の流したお雛様を追いかけている様子が印象的でした。

そして衝撃だったのが、お雛様の行き着いた先でした。水路の先には柵があってそれ以上物が流れないようになっているのですが、そこでは流れ着いたお雛様で埋め尽くされていました。微妙な流れに揺らめき、わさわさと動く大量のお雛様・・・、見ていると背中がかゆくなってきます。

・感想など

豆田の流しびな 流しびなを見守る子供の写真
流しびなを見守る子供

とても素朴な感じがする流し雛でした。

天領日田の町並みは九州随一と言われるだけあって、とても立派な町並みでした。町に飾られているお雛様も江戸時代の高級品が多くあり、かつての繁栄ぶりをお雛さまでも感じることができました。

観光客の多い日田で行われる流し雛は、訪れる観光客が楽しめるようにと始められた行事らしく、誰でも気軽に楽しめ、多くの人が楽しそうに流しびなを行っていました。

多くの観光客が訪れるので華やかそうに見える流しびなですが、観光客の足取りは早いもの。地元の子供たちが一所懸命自分のおひな様を見守っている様子の方が印象に残り、華やかな時間帯もあったけどとても素朴な感じの流しびなだったなといった感想を持ちました。

ー 風の旅人 ー (2018年訪問)

*** この項目の情景素写 ***

  • <豆田流しびな 情景素写2018(準備中)>

行事の様子を写真で紹介しているページです。

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* その他、周辺観光など *

日田おおやま梅まつりの梅娘の写真
日田おおやま梅まつりの梅娘

和紙で栄えた古い町並みが残っています。

日田の市街地ではひな祭り一色ですが、少し離れた日田市大山町は梅の里となっていて、西大山の「おおくぼ台梅園」では約6000本、東大山の「ふるや台梅園」では約3000本の梅を楽しむことができます。

ちょうどひな祭りの時期には「日田おおやま梅まつり」が開催されていて、地元の特産品の販売、各種ステージイベントなどといった様々な催しが行われています。開花状況を見て、合わせて訪れるといいかと思います。

* 情報、アクセス等 *

・豆田流しびなの概要

・開催日時2019年3月3日(日) (毎年3月上旬の日曜日)
・開催場所桂林荘公園(大分県日田市城町1-305-1)
・行事内容流し雛
・スケジュール10時~14時
・アクセス等JR久大本線日田駅から徒歩約15分。
天領日田おひなまつり用の無料駐車場有。
・備考流し雛は会場で無料で配布されます。
・関連サイト

*年によって、或いは当日の天候などといった諸事情によって開催日時や場所、イベント内容が異なる場合があります。
訪れる際には最新の情報を入手されることをお勧めします。

* 地図 *

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風の祭事記#25 豆田流しびな 2019年3月更新