風の祭事記 風の旅人祭り訪問記
風の祭事記#15

いしおか雛巡り

レトロという言葉がふさわしい独特な町並みが残る石岡商店街を中心に2月の中旬から3月3日まで「いしおか雛巡り」が行われます。

・開催場所 :石岡市街地(丁子屋、まちかど情報センター、金刀比羅神社など)
・開催日時 :2019年2月16日~3月3日(日)
・行事内容 :雛めぐり
・備考 :2010年訪問

*過去の訪問記録です。開催日、場所、内容など変更されている場合があります。

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* いしおか雛巡りの訪問記 *

・いしおか雛巡りについて

石岡の街並みの写真
石岡の街並み

日本古来の土蔵造の建物と洋風のデザイン装飾を施した看板建築が混じる町並みはとても面白いです。

霞ヶ浦の北側、筑波山の東側に石岡の町があります。石岡の名から推測できると思いますが、石の産地として知られています。茨城県自体が石の産地が多く、雛まつりで有名な真壁もそうです。

石岡市内は中町通りを中心に古い町並みが残っていて、登録有形文化財に指定されている建物が12軒18棟もあります。ここの特徴は古い土蔵造りの建物と古風な洋風の看板建築、そして近代的な建物がうまい具合に混ざっているところです。石岡の人はなんて面白い町並みを作ったものだと感心してしまいますが、実は1929年(昭和4年)3月14日に石岡大火が起こり、この中心部を含め石岡市街地の4分の1が焼失してしまいました。復興に当たって燃えにくい素材の建物が選ばれたのは当然ですが、東京で関東大震災後に商店などに多く用いられた看板建築も積極的に取り入れられました。

看板建築とは、通りに面した面を垂直にし、コンクリートやモルタル、或いは銅板やタイルなどで洋風のデザイン装飾を施した木造2階建ての店舗兼住宅です。大正時代に古典的なローマやギリシャ風のデザインを施した建物が流行り、東京では積極的に取り入れられましたが、ここではそういった建物を真似てみたり、土地のデザインを混ぜてみたり、とても個性的です。商店街にこういった建物が多く残っているのもなかなか珍しく、近代的な町並みに混じっている様子はレトロな町並みという言葉がふさわしく感じます。

いしおか雛巡りのポスターの写真
いしおか雛巡りのポスター

第1回目から「おかえりなさい いしおか」の文と、
PRキャラクターのいしおか恋瀬姫が描かれています。

このように少し変わった町並みが残る商店街を中心に2月の中旬から3月3日まで「いしおか雛巡り」といったひな祭りイベントが行われています。2007年から始まったイベントで、真壁のひな祭りと同じような形態で商店や民家などに飾られたひな人形を見て歩くといったものです。

おひな様が飾られている場所は75カ所もあり、町をあげてといった感じです。私が訪れたときは111カ所もあり驚きましたが、始まってから10年も経ったので少し落ち着いたのかなといったところでしょうか。

イベント的には、いしおかひな祭りの日に石岡ステーションパークでステージイベントが行われたり、餅やけんちん汁がふるまわれたりします。その他土日には地元の人によってウィークエンドライブや琴の演奏が行われたり、商店会によって小さなイベントが行われたりします。

・行事の様子

いしおか雛巡り まちかど情報センターの情景飾りの写真
まちかど情報センターの情景飾り

訪れた年は防人をテーマにした展示となっていました。

いしおか雛巡り アークヒルズ石岡の展示の写真
アークヒルズ石岡の展示

つるし飾りや幼稚園児の手製の人形などが飾られています。

展示は規模の大きな常設展と個人の商店とあります。常設展のまちかど情報センターでは、寄付によって集められたひな人形を使って毎年テーマを決めて大規模な展示が行われます。訪れた2010年のテーマは、石岡の風と土 ~帰郷編~ 「防人、還る」 平安絵巻 Vol.2という事で、船に乗ったお雛様が飾られていました。昨年のVol.1は~雅と万葉の出会うまち~ 「筑波嶺の春」といった平安のみやびやかな春の宴を再現した作品だったようです。こういった大規模のお雛様を使った人形劇のような演出は関東ではあまり見られなかったのでとても印象に残っています。

この他、アークヒルズ石岡では山車人形や幼稚園児の作ったひな人形も飾られ、ここでウィークエンドライブが行われていました。現在ではここでの展示は行われなくなり、みんなの広場で代わりに常設展と鉄道模型の展示が行われています。この他にも石岡駅西口市民文化伝承館でも大規模な展示が行われているようです。

いしおか雛巡り 丁子屋の写真
丁子屋

黒い蔵造の建物が特徴的です。

いしおか雛巡り 丁子屋の展示の写真
丁子屋の展示

日本家屋と古い家具に囲まれて展示されています。

いしおか雛巡り 丁子屋の2階の広間の写真
丁子屋の2階の広間

正面から光が差し込んで幻想的な空間となっていました。

石岡のひな祭りで一番の見どころは古い町並みを象徴するような「丁子屋(まち蔵藍)」です。丁子屋は昭和4年の石岡大火で焼失を免れた建物で、火災以前にあった商家建築として現存する唯一の存在となるようです。

建物は木造2階建ての土蔵造りで、外観は黒漆喰と真っ黒ですが、あまり重厚さとか威圧感を感じません。建物が丸っこく感じるせいか、柔らかく感じます。この丁子屋は染物屋として繁盛していましたが、現在は「まち蔵藍」という観光施設となり、各種物産品の販売や喫茶店として利用され、普段でも営業時間内なら自由に見学ができるようになっています。

ここの展示は素晴らしく、古い商家とお雛様のコラボといった感じです。あまり見ないようなお雛様や古い人形もあり、古い商家の様子もお雛様も同時に楽しめます。特にずらっとお雛様が並んでいる2階の広間は素晴らしく、光加減によっては幻想的に感じます。

いしおか雛巡り 福島屋砂糖店のお雛様の写真
福島屋砂糖店のお雛様

店内は昭和の雰囲気が漂っていました。

この他は個別の商店などに展示されています。面白い外観の商店が多い石岡の商店街。中はどうなっているのだろう。中に入ってみたいな・・・。そう思っても普段はなかなか入りづらいもの。おひな様が展示してある店ならこの際思い切って「お邪魔します」と入り、お雛様と一緒に中も少し見せてもらうといいかと思います。

・感想など

いしおか雛巡り 森戸文四郎商店の写真
森戸文四郎商店

楽し外観の店と窓越しに見えるお雛様が素敵です。

ここはやっぱり町並みが面白いですね。佐原や真壁といった古い町並みとは違う魅力があり、古いというよりもレトロといった言葉の方が似合います。面白い町並みなので歩いていて楽しく、ひな巡りにも心躍る感じがします。

雛めぐりの方は、訪れたときは訪れる人がまだまだ少ないようで、まだ初々しさが残るというか、時々店から出てきてどうぞ見ていって下さいと声をかけられました。そして話すと、やはり真壁のひな祭りを意識している感じで、真壁に比べるとまだまだ人が少なくて・・・といった言葉をよく聞きました。目標となる存在があれば、これからどんどんと良くなっていくことでしょう。いい町並みがあるのですから。

甘酒の接待もあちこちで行われていて、最初のうちは勧められるがままに飲んでいたのですが、そのうちお腹がたぽたぽに・・・。パンフレットの表紙にでかでかと「おかえりなさい・・・・・ いしおか」と書いてあるのもお腹で納得できました。

ー 風の旅人 ー (2010年訪問)

*** この項目の情景素写 ***

行事の様子を写真で紹介しているページです。

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* その他、周辺観光など *

常陸国分寺跡の写真
常陸国分寺跡

町の北の方にあります。

石岡は茨城県から歴史の里に指定されています。付近には国指定史跡が常陸国分寺跡、常陸国分尼寺跡、常陸国府跡、少し離れて茨城県内最大の舟塚山古墳、佐久良東雄旧宅とあり、楼門が国の重要文化財の善光寺もあります。合わせて訪れてみるといいかと思います。

* 情報、アクセス等 *

・いしおか雛巡りの概要

・開催日時2019年2月16日~3月3日(日) (例年2月中旬~3月3日)
・開催場所まちかど情報センター(石岡市国府3丁目1−16)、まち蔵 藍(丁子屋)など
・行事内容雛めぐりと関連イベント
・スケジュール各店舗や施設の営業時間内
・アクセス等JR常磐線石岡駅から徒歩圏内。周辺に有料駐車場有。
・備考公式サイトで散策マップなどの案内がダウンロードができます。
・関連サイト

*年によって、或いは当日の天候などの諸事情によって開催日時や場所、イベント内容が異なる場合があります。
訪れる際には最新の情報を入手されることをお勧めします。

* 地図 *

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<風の祭事記#15 いしおか雛巡り 2019年2月更新>