* 廣幡八幡宮 歳旦祭(元旦祭)について *
千葉県柏市増尾にある廣幡八幡宮は、創建は第59代宇多天皇の御代(867~931年)「下総国第1鎮守宇多天皇勅願所」として鎮座されたと伝えられているそうです。鎌倉時代には柏市近郊一帯の総鎮守(守護神)として社殿が創建され、この後も地域の人々に守り続けられてきたという由緒ある神社です。
現在の本殿は無骨な感じのする権現流れ造りですが、これは天保年間(1830年~1843年)に造営されたものと伝えられ、本殿周囲に施された彫刻も見事です。基礎の石垣は安土桃山時代(1573年~1595年)の形式を遺す貴重なものになるようです。
この廣幡八幡宮では年の始めの慣例行事として歳旦祭の神事終了後に平和と安全を祈願する「浦安の舞」が奉納されています。昭和38年の鎮座七百七十年祭の時にこの舞を奉奏し、それ以降50年以上奉奏され続けていて、地域の恒例行事にもなっているようです。
浦安の舞が奉奏されるようになったのは、古くからこの神社には「神楽舞」が伝わっていたそうですが、大正時代に伝承する人がいなくなり、「神楽舞」に代わって平和と安全を祈願する「浦安の舞」が始められたといった経緯になるようです。
舞が行われるのは本殿前の広場に設置された簡易的な舞台で、拝殿で行われる歳旦祭終了後の午前10時30分と11時30分からの2回行われます。舞を演じるのは氏子の娘さんだとか。訪れたときは高校生ぐらいの女の子2人で、前半は檜扇、後半は鈴を持って舞っていました。舞は10分程度で残念ながらテープの演奏でした。舞が終わった後は地元の囃子連中、広幡会囃子連によってお囃子や獅子舞が奉納されます。
初日の出を見に銚子へ出かける帰りに何か面白そうな行事が行われていないかなと捜していて見つけました。浦安の舞自体、珍しいものではないのですが、長年恒例行事となっているせいか結構大きく紹介されていて、期待を大きく出かけたのですが、テープの演奏だったり、舞台が簡易的なものだったりとまあ普通かなといった感想でした。
それよりも参道に並ぶ長い参拝客の列にはビックリ。神社周辺の人だけではなく、周辺地域からも訪れているような感じでした。そういった参拝客に見守られながら行われる浦安の舞や獅子舞はほのぼのとした感じで、日本の正月だなといった気分にさせてくれました。