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大子町百段階段でひなまつりのポスター

風の祭事記 ~祭り、イベント訪問記~

大子町百段階段でひなまつり

奥久慈の大子町では一年に一日だけ神社の階段を利用した大規模な雛飾りが行われます。

・場所 : 十二所神社、本町通り(久慈郡大子町)
・開催日時 : 3月3日前の日曜(町内の雛飾りは2月11日~3月3日)
・スケジュール : 9~15時(階段展示)、13時花嫁行列
・イベント内容 : 雛飾り、雛めぐり、花嫁行列
・備考 : ーーー
*開催場所、日時、内容等は年によって異なる場合があります。

*** 大子町百段階段でひなまつりの写真 ***

大子町百段階段でひなまつりの写真
十二所神社参道

百段階段でのひな祭りの会場です。

大子町百段階段でひなまつりの写真
参道の様子

階段手前には普通の人形が飾ってあります。

大子町百段階段でひなまつりの写真
下から見上げた図

100段なので高いです。

大子町百段階段でひなまつりの写真
横から見た百段階段

常に人がいるといった感じです。

大子町百段階段でひなまつりの写真
三人官女のハーレム地帯

あまり沢山いると微妙ですね・・・。

大子町百段階段でひなまつりの写真
階段途中のお堂

お地蔵様が見守っていました。

大子町百段階段でひなまつりの写真
商店のショーウインドウに飾られる人形

階段以外にも見て回るといいです。

大子町百段階段でひなまつりの写真
さりげなく家の前に飾られる人形

雰囲気のいい展示でした。

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* 大子町百段階段でひなまつりについて *

茨城県北部、男体山や袋田の滝がある山間地域は奥久慈といわれています。その奥久慈の中心となるのが久慈郡大子町です。山間にある静かな地方都市といった感じでしょうか。この大子町では、ひな祭りに合わせて「大子町百段階段でひなまつり」といった少し変わったひな祭りが行われています。

このひな祭りは平成20年から始まり、2012年で5回目と徐々に大子のイベントとして定着し、そしてそこそこ世間に知られるようになりました。ひな祭りは常陸大子駅から続く駅前商店街の中程に十二所神社の参道である101段の階段、通称「百段階段」があり、その階段を利用してお雛様が展示されるといったものです。お雛様自体元々段に飾るもので、階段を利用してお雛様を展示するといった趣向は各地で見受けられますが、当時は神社の階段などを利用するといった大掛かりなものはほとんどなく、関東では勝浦の遠見岬神社の石段飾りが知られているぐらいでした。

このようなひな祭りをやるきっかけは、近年茨城の各地で流行している地域イベントのひな祭りを我が町でもやろうと地元商工会女性部方達が提案した事だったようです。ここで凄いのは模範となる雛祭りを探すため、各地の雛祭りを視察に行った事です。こういった勉強熱心というか、やるからには一生懸命な実直さが実を結び、そして先に挙げたように勝浦市の遠見岬神社の石段飾りに出会い、大いに感動し、大子町でも十二所神社の百段階段を利用した雛祭りを思い付いたそうです。

ただ勝浦の場合、遠見岬神社の石段飾りは多くある展示のうちの一つであり、大子でそういった大規模な展示を行えなく、最初は町内の皆で持ち寄った雛人形を飾って楽しい雛祭りができれば良いという程度に考えていたようです。その為、第一回目は百段階段を埋め尽くすほどまでには至らない小規模なものでした。しかし徐々に口コミなどで広がり、共感した人など県内各地から雛人形が集まり、第3回目にしてようやく最上段まで飾れるようになったとか。これでようやく胸を張って百段階段でひな祭りと言うことができ、第4回目はメディアの効果もあり、万単位の人が訪れるようなイベントになったそうです。

勝浦の遠見岬神社の石段飾りと比べてここの凄いのは、下から見上げるだけではなく、階段の真ん中が通路として開放されているので、雛人形を間近に見ながら階段を登ることができる事です。以前は左右で登りと下りと分かれていましたが、今では混雑緩和のため両方とも登り一方通行になっていて、すぐ脇にあるスロープから下るようになっています。途中で立ち止まったり、写真を撮ったりする人が多いため、列の進みは非常に遅いです。混雑しているタイミングに訪れてしまうとちょっと待つことになります。

お雛様は101段の階段に約千体が飾られています。きちんと並べられている場所もあれば、三人官女がうじゃうじゃいて30人官女のハーレムってな状態になっていたり、五人囃子がずらっと並んで50人囃子のオーケストラ演奏になっていたりと、まあ多くのひな人形を寄せ集めて並べているのでこうなってしまうのもしょうがないことでしょうか。まだ始まったばかりのイベントなので、そのうち全体、或いは部分的にテーマを持たせて並べられたりと進化していくかもしれません。

この百段階段でのひな祭りは地元商工会女性部の主催で行われています。当日は、階段脇のスペースで甘酒や温かいお茶のおもてなしやしゃも法度汁のサービスや雛あられの配布などもあります。しゃも法度汁は人気があるようで早い時間に無くなってしまっていて、食べ損ねてしまいました。近年ではイベントにあわせて花嫁行列も行われているようです。

また階段以外にも商店街にはさりげなくお雛様が飾られています。なかなか雰囲気よく展示されていたりと、町並みはそこまで古さや面白味がないものの、人形を捜しながら散策を楽しむことが出来ます。大子の場合は雛人形というよりもケースに入った大きめの人形の方が一般的なのでしょうか。百段階段の下にもずらっと並べられていましたが、商店街の展示でも多くの人形がさりげなく飾られていました。

ここのいいところというか、感動的なのは、ひな祭りかそれ以前の日曜日の一日しか行われていないことです。一日限りのイベントというのがこのイベントの希少性を高めているとも言えます。準備する人達もこの一日のために、一年間人形を丁寧に保管して、必要なものは補修して、そして当日は朝5時ごろから3~4時間かけて千体の人形を並べ、そしてまたしまわなければなりません。たった一日のためにとてつもない労力をかけて行っているひな祭りなのです。

しかしながら屋外の展示なので雨が降れば大切なお雛様を濡らす訳にはいかないので中止となってしまいます。今までは幸いなことに中止にはなっていませんが、当日に雨が降ってしまうと、一年かけて準備してきたことが報われなく、お雛様も日の目を見ることが出来なく、楽しみにしている我々観客も一年待たなければなりません。天気次第でお雛様にあえなくなってしまう・・・、まるで七夕のようなおひな祭りとでもいうのでしょうか。そう考えるととてもロマンチックに感じませんか。今後も晴れの日に恵まれることを願います。

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<風の祭事記 大子町百段階段でひなまつり 2012年3月初稿 - 2016年2月改訂>