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風の祭事記

風の祭事記 ~祭り、イベント訪問記~

亀崎の如意輪参り(匝瑳市)

匝瑳市の亀崎では数百年の歴史があるといわれる如意輪観音の子安信仰にもとづく安産祈願の仏教行事が女性のみでひっそりと行われています。

・場所 : 亀崎コミュニティセンター、稲生神社(匝瑳市亀崎130)
・開催日時 : 2月19日直前の日曜日
・スケジュール : 亀崎コミュニティセンターで12時から行事の開始
・備考 : 市無形民俗文化財
*開催場所、日時、内容等は年によって異なる場合があります。

*** 亀崎の如意輪参りの写真 ***

亀崎の如意輪参りの写真
亀崎コミュニティセンターでの踊り

まず室内で踊ります。

亀崎の如意輪参りの写真
楽器を演奏する男衆

建物の外で演奏します。

亀崎の如意輪参りの写真
養浄寺前での踊り

広場を三周します。

亀崎の如意輪参りの写真
稲生神社へ移動

踊りながら移動していきます。

亀崎の如意輪参りの写真
移動の様子

ほのぼのとした感じです。

亀崎の如意輪参りの写真
稲生神社境内にある子安神社

当日は三つの掛け軸が祀られます。

亀崎の如意輪参りの写真
稲生神社境内での踊り

稲生神社境内を三周します。

亀崎の如意輪参りの写真
子安神社前での踊り

最後に子安神社前で踊り、安産祈願をします。

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* 亀崎の如意輪参りについて *

毎年2月中旬の日曜日、匝瑳市亀崎地区の稲生神社で匝瑳市の無形民俗文化財に指定されている如意輪参りという仏教行事が行われています。この如意輪参りは正式には稲生神社の境内に祀られている子安神社にまつわる行事で、如意輪観音の子安信仰にもとづく安産祈願の行事となります。江戸時代から行われてきたとかで、数百年の歴史がある行事になるようです。安産祈願ということで女性を中心とした行事となり、小規模な村行事ながら華やかなものとなっています。

如意輪参りは子安神社が祀られている稲生神社と近くにある亀崎コミュニティセンターで行われます。当日は子安神社に「木花開耶姫命像」「子安観音像」「如意輪観音像」(左から)の三つの掛け軸が吊るされ、御神酒とおにぎりが供えられます。13時頃になると、ぼちぼち始めようかといった感じで、お囃子の男性陣が外に出てきてほのぼのとした雰囲気の中、行事が始まります。

まずは亀崎コミュニティセンターの室内で色とりどりの着物に着飾り、揃いのたすきをした女性たちが外で演奏する男性陣の音に合わせて「いそべ」「松かざり」「大漁節」の3曲を踊ります。狭い室内での踊りなので、外で眺めているの方がいいかと思います。

それが終わるとゾロゾロと女性陣が外に出てきて、男性陣は坂の下に移動します。下の方から聞こえてくる「大杉囃子」に合わせて前庭で右回りに独特の振りで踊りながら3周します。先頭は清めのを大榊を持った女性で、その後ろは大きな万燈ですが、これは結構重いので順番に交代で持っていました。

3周終えると男性陣のいる下に下っていき、そのまま稲生神社までの道中を踊りながら進んでいきます。数百メートルの距離なので、すぐに着いてしまうのですが、この練り道中が一番のびのびとした感じというか、自然な感じがして個人的には好きな部分です。それに辺りは田んぼばかりの素朴な土地なので、着飾った女性たちがとても美しく見えます。

神社に到着すると、稲生神社の社殿を大きく回るといった感じで亀崎コミュニティセンターと同じく右回りに3周しながら踊ります。それが終わると万燈はたてかけられ、踊り手全員が掛け軸やらお供え物が置かれている子安神社の前に並び、「いそべ」「松かざり」「大漁節」を踊り、最後に踊り手たちが集まり、御神酒を飲んで安産祈願をします。全てが終わったら、来訪客にもお供物のおにぎりが配られて終了します。最初の踊りからだいたい1時間ぐらいです。

短い行事ですが、踊り手の女性は踊りっぱなしのようなものなので、結構大変そうでした。この踊り手達は地元の方々で、後世に行事や文化を残そうと結成された「如意輪まいり保存会」の方々になります。さすがにこのご時世では安産祈願する女性も少ないのでしょうね。

感想としては、とてもほのぼのとした田舎の行事で、素朴さが心地よく感じました。こういった行事は少ないし、細々と続けてきたのはとても大変だったと思います。近年では保存会が結成されたり、文化材に指定されたりして、カメラマンを中心に訪れる人が増えてきたようです。訪れる人が増えれば行事を行う人達のモチベーションも上がっていいことだと思いますが、狭い室内やうっそうとした境内ではあまりカメラマンばかり増えるのもそれはそれでうっと惜しいかもしれませんね。

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<風の祭事記 亀崎の如意輪参り 2012年3月初稿 - 2016年2月改訂>